22歳のドノバン1等兵
イギリス海軍の原子力潜水艦「アスチュート」で8日、1人が死亡、1人が重傷を負う銃撃事件が発生した。事件の発端はトイレだと見られている。イギリス国防省の関係者によると、政治家が潜水艦を視察するため、トイレに行きたい水兵は来賓に先にトイレを使わせる必要があり、銃撃事件に発展した。
1等兵が2人の将校に向けて発砲
イギリスで最新、最大規模の原子力潜水艦である「アスチュート」は現地時間7日、サウサンプトン港に停泊し、5日間の公式訪問を開始し、サウサンプトン市議会議員、ボーイスカウト、学童らを見学に招いた。
事件が発生した8日正午12時12分、一部の政治家は視察中だった。また、ボーイスカウトと学童が見学しようとしているところだった。事件を起こした22歳のドノバン1等兵は指揮室の警備を担当していたが、休憩に入ってすぐに周りに向けて発砲した。事件時、ドノバンは防弾チョッキを着けており、少なくとも6回発砲した後に取り押さえられ、殺人と殺人未遂の容疑で逮捕された。ミサイルと魚雷を管理する30歳の将校が銃弾を受けて死亡し、そのほかに1人の将校が重傷を負った。
政治家が素手で容疑者を取り押さえる
容疑者を取り押さえたのは、視察中の政治家だった。その中の一人、46歳のサウサンプトン市議会議員のスミス氏は、容疑者が指揮室からSA80ライフルを持ち出し乱射しているのを見ると、すぐに容疑者を取り押さえた。
トイレは95人で5つだけ
国防省の関係者によると、政治家が視察するため、トイレの使用が難しくなった。容疑者はトイレに行きたかったが、来賓に優先的に指揮室の近くのトイレを使わせるよう命じられたため、急に不快感を抑えられなくなり発砲したという。潜水艦には95人の船員がいるが、トイレは5つしかない。
事件発生前、「アスチュート」は46日にわたる航海を終えたばかりだった。容疑者の知人は、「ドノバンは航海が好きでない。彼は7週間の休みがあるが、個人的な理由で上司から航海を続けるように言われた。46日というのは普通の水兵にとって難しいことではないが、ドノバンにとっては難しく、彼はストレスがたまって爆発しそうだと言っていた」と話した。
閉所恐怖症になる可能性
イギリス「デイリー・メール」は、ドノバンは歌詞を書くことを非常に好み、その中の多くに暴力的な表現があると報じた。潜水艦で兵役に服した経験がある人の話によると、艦内での生活は単調で、狭い空間で閉所恐怖症になりやすいほか、毎回の出航で家族と数週間離れ、苦しい任務にも耐えなければならない。そのため、船員はみな厳しい訓練を受ける必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月11日