湖南省の某大学キャンパスで、社会人青年が残忍な手口で自分を振った女子大生を殺害するという事件が発生し、世間の注目を集めた。一時、「大学生情殺(失恋相手の女子大生殺人)」という言葉はオンライン検索語の注目ワードになり、オンラインでもオフラインでもこの事件の話題に花が咲いた。「恋愛の悩み」は誰しも経験することだが、恋愛が成就しなかったらといって、その悲しみや悔しさだけで他人の命を奪う行為は、「愛情」の範囲をはるかに超えている。
▽調査結果:大学生の9割に精神的な悩み
「愛情」にまつわる悩みは、キャンパスの若者達にとっても大きな悩みだ。大学生雑誌社と中国大学生網はこのほど「2010-2011年度大学生心理健康調査報告」を発表した。報告書のデータによると、大学生の9割以上は精神的な悩みを抱えていた。対人関係によるストレス、就活ストレス、感情問題をうまく処理することができないストレスなどが、大学生が精神的な悩みや心理上の問題を抱える主な原因だった。大学生の精神的問題の原因トップは、対人関係上のストレスだった。
湖南漢方医薬大学漢方・西洋医学臨床を専攻する3年生の陳健さんは、「1日が楽しいものになるかどうかは、大学の友人や教師との付き合いが楽しいかどうかにかかっています。私の専攻科目の成績はずっと抜群で、成績が私の気持ちを左右することはありません。キャンパス内での対人関係にはとても頭と気を使います。時には先生や同級生にジョークを飛ばすこともありますが、相手の反応があまり良くないと、自分の話した言葉が不適切で相手を傷つけたのではないかと気になります。このような心配が、常に私の気持ちを落ち込ませます。気にすればするほど、他人との付き合いが面倒になります。友達がそばで笑っていても、私は『バリアの中に入った人間』なのです」と話した。
メンタルヘルスの研究が専門の中南大学公衆衛生学院の肖水源院長はこれについて、「ネット上のバーチャル社会は、学生の現実社会で他人と付き合う時間をますます食いつぶしている。ネット上ではのびのびと自分を表現することができるのに、実際の生活では、複雑な人間関係の中で、人との付き合いにおける基本的な原則や価値観を知らない学生が多く、人間関係をうまく処理する技術も不足している。問題の本質を理解しておらず、問題を分析し解決する能力に欠けている」と指摘した。ネットワークでの社交技術を現実界の社交技術にも通用させることは、どうやら不可能のようだ。
「人民網日本語版」より2011年5月23日