全仏テニス女子で李娜選手が優勝したニュースが「人民日報」の一面を飾った。中央電視台(CCTV)では、欧陽夏丹アナがカジュアルなデニムジャケットを着て登場した。お堅いイメージのあった中国政府系メディアが近頃様々な変化を遂げており、ネットユーザーの間で話題となっている。「法制晩報」が伝えた。
6月4日、全仏オープンテニス女子で李娜選手が初優勝を飾った。アジア人初となるこの快挙を、多くの中国メディアが一面で伝えた。
このニュースを大きく取り上げたのはスポーツ関係のメディアや都市メディアだけではない。6月5日付「人民日報」の一面には、李娜選手が優勝トロフィーにキスをしている写真が目立つ位置に掲載され、記事には「李娜登頂大満貫(李娜、グランドスラム達成)」とのタイトルがつけられた。
お堅いイメージのあった「人民日報」が李選手の優勝を一面で報じたことに対し、ネットユーザーからは以下のように次々と意見が寄せられている。多くはこの変化を支持するものだ。
「党の機関紙も時代に合わせて変化した。これは『給力(すばらしい)』なことだ」「こういう変化はいい。伝統的なメディアも新たな変化を迎えようとしているのだ」。
同じく政府系メディアであるCCTVで6月5日に放送された番組「共同関注」では、デニムジャケットを着た欧陽夏丹アナが司会を務めた。キャプチャー画面を見ると、欧陽アナは襟にレースのあしらわれた青いデニムのジャケットを着ており、従来のやや堅苦しい服装と比べて、よりカジュアルなイメージになっている。
あるネットユーザーがジャケット姿の欧陽アナの写真をミニブログにアップするやいなや、多くのコメントが寄せられた。中にはメディア関係者からのコメントも少なくない。広州日報の記者は「CCTVの女性アナウンサーがデニムジャケット姿でテレビ出演したことは、大衆化に向けた一種の進歩といえる。ただし、これが個人的な行動なのか、CCTVが後押ししたのかはわからないが」とコメントした。
▽専門家の意見
清華大学新聞与伝播学院の陳昌鳳教授は人民日報とCCTVの変化について、「これは、革新を求める伝統的メディアの積極的な変化であり、よい現象だ。人民日報が李娜選手の写真を掲載したことは、驚くほどのことではない。昨年11月には、ネット上の流行語『給力(すごい、すばらしい)』も人民日報の一面に登場したことがある。つまり、人民日報は突然変化したのではなく、これまでずっと革新を目指してきた。このような革新は活気をもたらすし、効果も上々だろう。また、CCTVの女性アナの服装も、伝統的なメディアがより親近感を高めるべく変化したことの表れであり、積極さ、進歩の表れだ」との見方を示す。
「人民網日本語版」2011年6月8日