世界の強豪は中国チームに勝つためにいろいろとデータを集め、中国監督の意志決定のクセまで研究しているチームもあるほどだ。そういうことで中国の卓球にしても、バドミントンにしても、飛び板飛び込みにしても、すでに諸外国チームには徹底的に研究されており、中国は完全に追われる立場にあるわけだ。さらには、中国で育成された人たちが外国に移住して、外国チームの一員として中国に来てプレーしているケースもある。対外開放、グロバリゼーションの時代環境ではこれは日常茶飯事で、現に中国サッカーチームに外国人の選手がいることを見ても、スポーツの世界では決してめずらしいことではない。
そういうことで、中国のスポーツ界も、金メダル総数でトップに立った現実や、調整期を必要とするスポーツチームの現状を直視して、適切な対応策を考えねばならない。
ただ、ひとつ触れておきたいことは、今回の日本チームに負けた際に、ブーイングなどが起こらなかったことは、民度の面での一歩前進といえよう。スポーツ競技の世界に他の要素を持ち込まなくなったことは中国の観客の成熟ぶりを示すものと言えよう。