東南アジア諸国の教育市場は長年、有名欧米大学を目指す激しい競争の場であったことから、欧米の大学は毎年、東南アジアで教育展を開催してきた。しかし、マレーシア、シンガポール、タイなどではこの数年、中国の大学展が開催されるようになり、東南アジア教育市場への中国の大学の「進出」ぶりは非常に目覚ましい。人民日報が伝えた。
中国が海外留学生を引きつける主な魅力として、安い授業料、経済の急成長、就業機会の増加などが挙げられる。
中国経済の発展および中国と東南アジア諸国の交流増加に伴い、中国に留学する東南アジアの学生がだんだんと増えてきている。中国教育部の2009年統計データによると、中国で学ぶ外国人留学生のうち、アジア諸国出身者が最も多く、16万人を上回った。国別で見ると、上位10カ国には東南アジアの3カ国がランクインしており、ベトナム(3位)、タイ(4位)、インドネシア(8位)。また、駐シンガポール中国大使館の統計データによると、2002年に中国に留学したシンガポール人学生はわずか583人だったが、2009年には3198人に増加した。
東南アジアの学生にとって、中国留学の魅力は、何と言っても授業料が安いことだ。湖北省の重点大学である武漢大学と華中科学技術大学を例に取ると、理工学部や経済マネジメント学部への留学費用は、学部で2万元前後、大学院修士課程で約2万7千元。医学部では、学部が2万9千元から3万3千元、大学院修士課程が3万7千元から4万元。これらの額は、タイの私立学院・大学よりかなり安い上、中国での生活費も欧米よりかなり安い。
中国経済の急成長や中国語学習ブームも、東南アジアからの中国留学が増えた主要因となっている。在シンガポール中国大使館教育処の周建平大使館参事官は、「シンガポールには多くの中国人が住んでおり、中国文化の影響を受けやすい。これは、シンガポール人学生が留学先に中国を選ぶ決め手のひとつとなっている」と話した。
「人民網日本語版」2011年7月4日