香港大学の今年度の大陸部学生募集は大きな収穫を得た。大陸部の大学入学統一試験の省レベル最高得点者11人と市レベル最高得点者6人が香港大を選択したのだ。北京市の文科系最高得点の女子3人も含まれる。人民日報海外版が伝えた。
なぜ彼らは北京大学や清華大学を捨てて、香港大学を選ぶのだろうか?
まず、香港大学が学生に支給する手厚い奨学金の効果がある。雲南省の文科系最高得点者・劉毅文さんは48万香港ドルもの奨学金を手にした。残る多くの学生も16万香港ドルの奨学金を手にしている。香港大学は大陸部の優秀な学生を獲得するため、毎年約900万香港ドルの奨学金を用意している。
世界の名門大学は一般家庭の優秀な学生に高額の奨学金を支給している。こうした制度は名門校の教育観を反映している。一方、大陸部の一部大学は建物の拡張や装飾といった「面子工事」には金を惜しまないが、奨学金は渋る傾向にある。
次に、もっと深いレベルの原因もある。劉さんは「香港大学で学びたいのは、香港が国際金融センターだから」と率直に言う。実は他の最高得点者たちも同様の考えを共有している。大陸部よりも香港の大学教育制度は活力があり、教育内容に特徴があり、土台が幅広い。学生たちは国際化された教育環境によって視野を広げ、将来的により大きな活躍の場や選択の機会を得ることができる。
実は大陸部の大学が競争にさらされているのは香港の大学だけではない。周囲を観察すれば、多くの保護者が子どもを外国の大学に留学させようと熱を入れているのに気づくだろう。卒業時に米英などで大学受験を受け、直接留学するための「国際クラス」を設けている高校もある。
教育のグローバル化は大陸部の高等教育にとって大きな試練だ。教育のグローバル化によって、大陸部の学生の選択できる機会も増えている。大陸部の大学は自らの短所に目を向けず、教育観念、学生募集制度、奨学金制度、教育、研究管理制度などを時代に合わせて改善しないのなら、今後も大陸部の優秀な学生の第一進学希望校にはなれないだろう。
「人民網日本語版」2011年7月6日