林国本
今年の女子サッカーのオリンピック出場権争奪戦は、大方の予想にたがわず、日本チームに負けた。日本チームは今上昇気流に乗っていてすごい勢いを保っていることは、試合前から予想されていた。中国女子サッカーチームはかつては世界の三強と言われるまで伸びた時期もあったが、このところのベテラン選手の引退や新人の育成がうまく行っていないため、鳴かず飛ばずの状態にある。
女子サッカーに関心を持っているある日本人の分析では、なでしこジャパンも、選手の層の厚さではアメリカにはとうてい及ばないので、王座をずっと保て続けられるかどうかは予断を許さない、ということであるが、私見ではあるがアジアでは現在上昇気流に乗っているチームと言える。
日本女子サッカー選手のごく一部のスタークラスの選手以外は、職場の仕事をこなしながら、電車でグラウンドにカよって練習している選手もいるらしい。スタークラスの選手でさえ、ユニホームを自分で洗濯している、ということも朝日新聞の記事で見たのを覚えている。その点、中国女子サッカー選手は、まだ恵まれている方だが、このところ中国では生活がだんだん豊かになったせいか、ハングリー精神の衰退ともとれる変化が現れていることも確かだ。特に中国では一人っ子の家庭が多いので、ファッション・モデル、テレビのキャスターその他のカッコいい職業につけるチャンスも増えており、つまり、建国当初と違って個人にとっての選択肢が増えているので、女子サッカーに賭けてみようという若い女性の数が減っていることも確かだ。