私の知人で、スポーツ界にいる人も、「私は自分の娘はアメリカかオーストラリアに留学させて、将来はテレビのキャスターのような職業についてもらいたいと思っている」と言っていた。今では少しゆとりがあれば外国へ留学することはごく普通のことになっている。この人はさらに「日焼けして真っ黒になってボールを追いまわし、三十そこそこでまた引退して再就職するとなると、自分の好む仕事につけるかどうか自信がない」とも言っていた。中国の一般の人たちの生活観の変化は、スポーツ強国への前進を目指す中国スポーツ界にとっては、新たな課題を抱え込んだことになったと思う。
ほかの種目でも、ゴールドメダリストになった人たちは引退後にはそれなりの仕事やポストが用意されている。広告会社もほうってはおかない。しかし、一般の選手たちにとっては事はそう簡単ではない。
したがって、北京オリンピックで金メダル総数一位、広州アジア大会でも非オリンピック種目を差し引いても、金メダル総数一位である中国もスポーツ大国からスポーツ強国へ前進する道は平坦ではないような気がする。世界のスポーツの祭典で好成績をあげることはすばらしいことだが、選手たちに後顧の憂いのないようにするには、どうすればよいのか。私は一スポーツファンとして日頃このことを考え続けている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月28日