アジアでみられるこうした“結婚逃避”現象は一連の社会問題の原因ともなっている。例えば、結婚率の低下は出産率の低下にもつながる。アジア東部の女性は1960年代、 1人当たり平均5.3人の子供を出産していたが、今では1人にまで低下。これを背景に少子高齢化が加速し、人口問題が日に日に顕著化している。そして西欧諸国と比べて、アジア各国は年金などの社会保障の分野の整備が遅れているため、家族が老齢の親の面倒を見切れなくなると、世話をする人が誰もいなくなってしまう。また、まだあまり知られていない問題として、結婚率の低下が男性の犯罪率上昇につながるという点がある。逆に言うと既婚男性の犯罪率は低い。理由として男性は結婚すると、人間の神経系に作用して性犯罪に結びつく攻撃性を高めると言われる男性ホルモン「アンドロゲン」が低下すること挙げられる。
同誌は「アジアの女性の結婚観が大きく変化し、高齢化など一連の社会問題の原因となっているのであれば、関連国がその問題解決のために真剣に取り組むよう促さねばならず、各政府は政策や法律の面で、積極な対策を取り、女性が結婚したくなるような社会にしなければならない。例えば離婚した際に女性がより多くの財産を得られたり、夫婦が共に産休を取って子育てを共同で行えたりといった環境を法律面から整えるべき」と指摘している。
「人民網日本語版」2011年10月12日