2011年10月31日、世界の総人口は70億人に達した。地球上で70億人目の赤ちゃんは、フィリピンで誕生した。「70億」という数字は、世界中の人々が、地球上で暮らす人間の規模を知るひとつの「象徴」といえよう。「70億の人々がこの地球上で同時に生活している」という事実に対する前向きな意味は、もっと重視されてしかるべきだ。「人口70億」時代を迎え、人類はどんな挑戦と向き合っているのか?地球人はこの重大な挑戦について、あまりにも楽観視しすぎていないだろうか?
▽遠い食糧難解決への道
国連人口基金(UNFPA)がこのほど発表した2011年度「世界人口白書」によると、世界の人口は70億人に達した。人口増加に伴い人類が解決すべき第一の問題は食糧問題だ。
地球上では今もなお、多くの国家が食糧難にあえいでいる。国連食糧農業機関(FAO)の2010年度報告によると、世界の6人に1人が飢餓に苦しんでおり、この状況は発展途上国で顕著に表れているという。貧困国では食料の価格が上昇、金融危機時に大きな痛手を受けた。貧困国にとって、食料不足問題と飢餓問題は金融危機より恐ろしい。FAOのジャック・ディウフ(Jacques Diouf)事務局長は、「先進国であれ発展途上国であれ、世界中の国家は、飢餓問題と貧困問題の克服に目を向けるべきだ」と話す。
世界銀行(WB)のロバート・ブルース・ゼーリック(Robert Bruce Zoellick)総裁は今年初め、世界の食料価格はすでに「危険レベル」に達し、数千万人が貧困化していると語った。WBの統計データによると、2011年1月時点における世界の食料価格は、2010年1月に比べ平均29ポイント上昇した。国連の潘基文(バン・ギムン)事務総長は、今年8月に発表した文章で、「アフリカの角」と呼ばれる地域全体では、多くの住民が飢餓に苦しんでいると訴えた。 内戦、食料価格の高騰、干ばつ被害によって、1100万人以上が極度な貧困状態に陥ったという。国連は数カ月前から、緊急宣言を発表し続けてきた。国連はもともと、「飢饉」という言葉を使うのを避けていたが、現在の非常事態を「飢饉」と認めざるを得なくなった。ソマリアの一部地域には確かに「飢饉」が存在し、しかも拡大しつつある。