▽不安定に揺れ動く貧困地区社会
国連報告は、「人口問題が政治の安定を脅かす」という言い方は決してオーバーではないと指摘している。国連「最低社会保障問題顧問チーム」が10月27日に発表した報告書によると、世界の4人に3人は、十分な社会保障を受けていないという。これは、貧困層が自らの潜在力を発揮することを妨げるだけではなく、政治の安定や社会の繁栄をも脅かしている。
人口増加が貧困問題をもたらし、貧困が社会変動をもたらす。ソマリア、ケニア、ジブチ、エチオピア各国の飢餓人口は1150万人に達し、児童の栄養不良率と死亡率は極めて高い。母国を離れケニアやエチオピアに逃れたソマリア人は、年初来16万人に達した。新難民1万人につき4人が毎日死亡している。死亡者のほとんどが5歳以下の子供で、5歳以下の児童の栄養不良率は26.8%に上る。
ソマリア内戦は絶え間なく続き、反政府組織のアル・シャバブ(イスラム青年党)とソマリア暫定政府軍は、首都モガディシュで幾度となく交戦している。国連難民署は、武力衝突が継続すると、人道支援活動がおびただしく制限されると訴えた。国連は、ソマリア内戦が続く限り、飢餓問題を克服することは不可能との見方を示している。ますます多くの人々が飢えに苦み、非業の死に追いやられている。