深セン女性が香港男性のもとに嫁ぐだけではなく、香港女性が深セン男性のもとに嫁ぐことも、もはや珍しくなくなった。両地の文化レベルや所得レベルに大きな差はなくなり、お互い話が合い、一緒に生活することが楽しいかどうかが結婚の決め手となっている。
両地の結婚が常態化しているとはいえ、現実生活上の圧力、両地の文化・制度などさまざまな要因によって、その結婚にも多くの障害や問題が発生する。たとえば、両地の独身男性の結婚年齢が段々上がっており、「適齢期の間にチャンスを逃したくない」と焦ってしまい、お互いが愛情を育む時間を十分取らずにゴールイン、結婚後にいざこざが絶えないというケースも生じている。また夫婦の勤務地が異なることから、どちらに住まいを構えるのか、将来子供をどちらで育てるのか、など多くの問題が芋づる式に噴出する。深センに住む王さんは「香港の住宅価格が高すぎるため、我々夫婦は深センで家を買うことに決めました。しかし、私は毎日車で深センと香港を往復する羽目になり、非常に大変です。香港で産まれた子供は、学費の節約のため香港の学校に通っています。 しかし毎日両地を往復する生活は、まだ小さな子供にとって身体的負担が大きすぎます。とはいえ、もし大陸部の学校に通わせれば、膨大な教育費がかかり、これもまた大変なことです」と話した。
専門家は、深セン人と香港人カップルの家庭で生じるさまざまな問題は、結局は対立する両地の政策が根本的原因だと指摘する。このような特別な家庭では、夫婦いずれもが政策の影響を受ける。4年間は長期的な往来や香港滞在が許されておらず、家族の別居が強いられることも多い。大陸部で単程証(香港移住を目的とした一次通行の片道ビザ)を獲得しても、香港市民になるには7年間かかる。もとの戸籍が大陸部にある多くの住民は、両地をまたぐ婚姻をあきらめているのが現状だ。
専門家が指摘する通り、深セン人と香港人の結婚は喜ばしい事なのだから、両地は政策上の条件を適宜緩和させ、両地をまたぐ結婚のかきねを取り払い、幸せな2人を祝福するべきだろう。
「人民網日本語版」2011年11月15日