現在、世界の至る所で起きている政情不安や世界的な経済危機により、人々は将来に対する不安や懸念を一層募らせている。人々は今世界にはびこっている詐欺行為や略奪、貧困、殺戮などネガティブなシーンを、テレビなどを通して目にすることを望んではおらず、生活の中で、幸福や富、平和を描くシーンを見たいと切に願っている。「王室結婚」が流行していることは、経済危機に直面している現在、人々が経済低迷を脱し、おとぎ話のような幸福を得たいと願っていること、政情安定、経済回復、幸福な生活を切に望んでいることの表れのように感じる。英時事評論家マックス・クリフォード氏は「(『王室結婚』が流行しているのは)夢のある明るいことだから。世界は今年、災害や動乱、地震などを次々に経験した」と指摘。これが経済回復にどれほど作用するのかは測りがたいが、「自信が金よりも貴重」になっている今の経済氷河期に、人々が生活上のストレスから解き放たれるための手段となっており、幸福や経済繁栄への自信を増し加える点で一役買っているのは間違いない。
面白いのは、メディアや一般の人々の一番の関心事は、「王室結婚」の中でも一般の中流階級から娶られた新婦にあり、彼女たちを現代の「シンデレラ」と見ている。「王室結婚」は今や貴族と中流階級の距離を縮めている。中流階級の勢力が今、日ごとに増しており、政治上の社会過程も少しずつ変化し、伝統的な貴族は衰退に向かっているのだ。そのため王室は今、自身の発展を守るためにも、シンデレラを受け入れる、いやむしろ自ら率先して探し求めなければならない。
「人民網日本語版」 2011年11月23日