◆字面よりも内容を
国家官僚は話の中で、漢詩、典故、政治分野の中国の特色ある語句を用いることがあるが、これを正しく翻訳する方法について、誰もが興味を持っていることだろう。費所長は、「字面よりも内容をよく伝える必要がある」と語り、いくつかの例をあげた。例えば「韜光養晦、有所作為」という語句だが、これを翻訳する場合に典故を説明する必要はなく、「中国は低い姿勢を保ち、世界の覇権を争わない」という意味を伝えればよいのだ。
費所長はさらに例をあげ、「含まれる意味が豊富な語句ほど翻訳しづらい。古い漢詩を通訳する場合、その本来の意味よりも、官僚が何を伝えたがっているかが重要になる。官僚に付き添いアフリカに行ったことがあるが、交流会の最後に官僚が、『但願人長久、千里共嬋娟』という漢詩を引用した。本来は愛をたたえる意味があるが、その場面での意味は両国の友好関係に対する期待であった。そのため通訳の際には、現場の状況に応じて、愛情を友情に変えた」と語った。
「人民網日本語版」2012年1月4日