このように、ぜいたく品が富の象徴となり、中国の富裕層の急速な成長に伴い、その消費も過熱し、高級ブランド商品を販売する業者にとっては、他とないターゲットになっている。そのため各業者は中国の大都市の至る所に店舗を展開するようになり近年、中級都市にも目を向けるようになった。そして、高級車やクルーザー、自家用飛行機などを製造するメーカーも深センや杭州などで、さまざまなイベントなどを展開し、集客に躍起になっている。
中国では富裕層だけでなく、けた外れの中産階級の人々もぜいたく品を非常に好むようになっており、それを購入するために、普段は質素な生活を送ることさえいとわないという。中国最大の自動車会社「上海汽車」で働く、戴磊さんは「自分は働き始めて15年になるから、ぜいたく品を買うお金がある。でも、収入が少ない若者は、3カ月分の給料をためないと、グッチのバッグは買えない」と語る。
一方、中国人は「メンツ」を非常に重んじるほか、見かけで人を判断する傾向も強いため、他の人に「成功者」と見られたいという心理が強く働く。そのため成功の象徴とされているぜいたく品を所持することを誇りとする。そして、ぜいたく品にはさらにこだわるようになり、「自分へのご褒美」として、また個人の趣味として、それらを買い求めるようになっている。さらに、国内より、海外で購入するほうが安いこともあり、中国人の海外でのぜいたく品の買いっぷりは、富を誇示するには十分すぎる機会となっている。
ある業界関係者は、「富裕層が中国のぜいたく品市場の基礎を築いてきた。中国の経済が崩壊しないかぎり、富裕層はこれからも、それを買いあさり続けるだろう」と指摘した。
「人民網日本語版」2012年1月20日