昨年3月に発生した東日本大震災後、ブームになっていた海外から日本への修学旅行市場は冷水を浴び、青息吐息の状態に陥った。余震が減り、その心配も薄らぎ、福島第一原発事故も少しずつながら解決の方向に進んでいることから、中国人学生の日本への修学旅行も復活の兆しが見え始めた。日本新華僑報網が伝えた。
長崎県観光連盟の推算によると、間もなく始まる冬休みの間に、15団体計545人の中国人学生が長崎を訪れる。連盟は、「これは、現存情報に基づく予測にすぎず、実際にはさらに良い結果が期待できる。中国人学生の日本への修学旅行が、夏までに震災前のレベルにまで回復するよう望んでいる」とコメントした。
連盟によると、中国からの修学旅行は、中国の夏休みにあたる7,8月と冬休みにあたる1,2月に集中するという。ここ数年、佐世保市にあるリゾート・ハウステンボスと環境関係専門学校での環境先進モデル学習が、修学旅行人気スポットのひとつとなっている。2010年度には計3419人が訪れ、同プロジェクト開始以来の最高記録を打ち立てた。連盟によると、2012年度は4千人の学生に長崎に修学旅行で来てもらうよう誘致計画を立てている。
これまで、日本を訪れる中国人観光客の足に歯止めをかけていたのは、なかなか解決が進まない放射能汚染問題だった。特に、子供達の修学旅行に対するマイナス影響は大きく、2011年夏に長崎を訪れた修学旅行団体はゼロだった。
どん底まで落ち込んだ業績に対応するため、 連盟は2011年9月から12月まで、中国の教育管理機関や教育事業関係者を対象とした観光PRを強化した。PRイベント、特に県の安全性に関するPRは、かなりの成果を上げた。連盟海外誘致課の徳永憲達課長は、「PR強化が功を奏し、2,3の団体から修学旅行の申請を受け取った。これを突破口として、学生4千人誘致という2012年度目標を達成したい」と意気込みを示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年1月19日