地下鉄がサラリーマンの足となる中、信号機・列車・分岐器の故障、ダイヤの乱れ、乗客への下車命令、停車駅の無断通過等のアクシデントに関する報道が絶えない。北京晨報が報じた。
一般的な乗客と異なり、通勤カードで出勤時間を管理されるサラリーマンからは、不満の声が上がっている。「1度の遅刻のみで、今月の皆勤賞がふいになった。それに遅刻した時間の長さに応じて、給与から差し引かれる」地下鉄で故障が発生するたびに、ウェイボー(中国版ツイッター)で同様の不満がつぶやかれる。あるネットユーザーは、「地下鉄は厄介だ、1度の故障で給料を50元(約600円)も差し引かれた」とつぶやいた。
上海と広州の地下鉄では、故障や遅延が生じるたびに乗客を対象に「謝罪文」を配布する。サラリーマンの間でこれは「遅刻カード」と呼ばれている。これを手に入れたサラリーマンたちは、ウェイボーで「私は悪くありませんと上司に言ったら、給料を差し引かれなかった」とつぶやいている。
「遅刻カード」とは地下鉄側が乗客に配布する謝罪のカードで、到着駅と当日の日付が記されている。
上海の地下鉄でも同様のサービスが提供されている。同サービスはこれまでも提供されていた。また駅で配布できるカードの数に限りがあることから、上海市地下鉄はウェイボーを利用し、乗客に電子版をダウンロードするよう呼びかけている。また、「上海市地下鉄の公式サイトからダウンロードされた謝罪文は、駅で配布されているものと同じく有効だ」と述べた。
一部の広州市民によると、「遅刻カード」を見せても、職場によっては証拠として認めないという。地下鉄側は、「謝罪文を遅刻の証拠として認めるかは、企業が判断することだ。地下鉄側は十分なサービスを提供している」と表明した。北京市のサラリーマンは両市のサービスを羨ましがり、「北京ではいつになれば同様のサービスが提供されるのか」とウェイボーでつぶやいている。
北京市地下鉄に問い合わせると、職員は「北京市の地下鉄では今のところ同様のサービスを提供していないが、提案については記録し検討する」と返答した。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年2月20日