「オタク文化」の発祥の地は日本である。その文化によって、日本の社会には沢山の「オタク」が生まれた。今、「オタク文化」は止まることなく広がり、「オタク傾向」も日増しに激しくなり、日本の若者には家好きの「オタク」だけでなく、国内好きの「オタク」も多いようだ。
4月に発表された調査報告によると、日本の高校生で、海外に留学したいと考えている人はたったの5割に止まり、中国・アメリカ・韓国・日本の4カ国の中でも最も少ない。また、海外への留学を希望している学生でも、留学期間は2年以内で、なるべく早く帰国することを希望している。
別の調査では、2009年に海外留学した日本人は2008年に比べ6910人減少している。2010~2011年にかけて、アメリカの大学に在籍している日本人留学生の人数は1学年上より14.3%の減少となり、総人数は10年前の半分にも及ばない。2004年以降、日本人学生の海外留学は連続して急速に減少し、最盛期と比べ実に2万人以上の減少となっている。
日本の就職状況が厳しいにもかかわらず、4月から就職する学生を対象にした調査では、3/4の人が海外での仕事を希望しないという結果になった。
日本の若者が国内に留まり、海外に出たがらない理由について、調査では様々な回答があった。まずは経済的理由によるもの。日本経済の不景気で家庭の収入が大幅に減少し、教育への支出にも影響が出るのは避けられないことだ。国内での教育は大幅な節約となる。日本の大学の教育レベルが海外に劣らないと感じている学生も多く、わざわざ遠くで勉強する必要はないと考えている。更に53%の学生が「自分の国の方が生活しやすい」と答えている。海外での1人暮らしに不安を感じ、「めんどくさい」と思っている学生も少なくない。また、海外で仕事したくないと考えている人の多くは、自分の外国語のレベルに自信がないからで、「言葉の壁」は最も大きな心の壁でもあるようだ。海外の仕事に対し、極度の恐怖を感じている人もおり、近年のグローバル化の流れに不安を抱く人さえいる。
海外での留学や就職に関して、日本人は複雑な心境にある事が分かる。一方では、日本経済のグローバル化がどんどん進展しており、益々多くの日本企業が海外進出を果たし、グローバルな人材の需要が急激に増えている。そのため、日本政府は「5000名の大学生・高校生海外留学」を推進する壮大な計画を立てており、奨学金の範囲を更に拡大することを目指している。しかし他方では、日本の若者は「冒険を恐れ」、「世界を股に掛けて」仕事をしたいというような願望を抱くことも少ない。このような流れが日本の国際的な競争力の向上を妨げているのではないだろうか。
また、日本は震災の復興にしろ、国家の再興にしろ、若者の苦労を惜しまない精神と挑戦に立ち向かう強い精神力と意志が不可欠である。戦後の日本人が廃墟と化した国を再建した時のような力が必要なのだ。しかし今、日本の高校生・大学生は海外での留学や仕事に向き合う精神力もなく、今後の国家建設において大きな役割を果たす事ができるのだろうか。
「オタク」は悪いことではない。しかし、外の世界を見ずに家や日本国内に留まることは、ある意味、国や社会の発展に対する責任を放棄するのと同じである。日本総合科学技術会議のメンバーであり、東京工業大学の前校長である相沢益男氏が言うように「中国、韓国などの若者はどんどん世界各地に飛び出し、挑戦をし続けている。日本は少子高齢化や人口減少といった苦境に陥っている。数少ない若者がこのまま何も成し遂げることなく鬱々としていては、日本の未来さえ見えなくなってしまう」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年4月11日