日本の富士山は世界各地の観光客を惹きつけてやまない有名な観光地だが、同時にある一部の人にとっても引力のある場所でもある。富士山のふもとのある密林で、日本政府は毎年100体あまりの自殺者の遺体を発見し、また多くの遺体が何年後かに発見されている。このため、この樹海は日本で「自殺の森」と呼ばれている。
イギリス「デーリー・メール」4月10日の報道によると、富士山国立公園の青木ヶ原は人気のない自殺名所である。樹木が生い茂っているため、自殺者はここで簡単に永遠に人からみつからない所を探すことができる。日本政府は毎年ここで100体余りの遺体を発見するが、おそらくもっと多くの遺体が見つけられていないだろうと考えている。
なぜ多くの人がここを自殺する場所に選ぶのか、原因はまだ分かっていない。日本の地理学者である早野梓氏はこの森で30年以上研究している。彼の仕事のつらい所は、よく自殺者の遺体をみつけたり、あるいは自殺願望のある人を説得して助ける点だ。彼の概算では20年間で100体余りの遺体を発見したが、時々森の中に白骨、衣服と髪の毛、更には木にぶら下がった遺体もあるという。
あるドキュメンタリーで、早野梓氏はこういっている。「森の中で、手がかりを探し当てられれば、自殺者の最後の時や、その考えを変えた気持ちの筋道が理解できる。」例えば、森のふちに駐車されている自動車を見れば、早野氏は自動車のオーナーは森に入って、二度と出てきていない事を知る。また、一部分の自殺者は森に入った時に、縄などでしるしを残している。これは自分に生きる道を残そうと考えてのことだ。
早野氏は、ほとんどの自殺者は「社会の軋轢」に耐えられなくなり、死んで開放されることを選んでいるという。彼はずっと日本の社会にこうした声を伝えることに尽力してきた。即ち、現在の社会は人情が乏しく、みんな毎日ネット世界で生活している。実際、人には相手の顔を見て声を聞いて、感情を通わせ生命のストレスを軽減することが必要だと考えている。