韓国の文化コンテンツにおける台頭はある意味、韓国が90年代後半に実施し成功した文化コンテンツ関連の発展戦略と直接的な関係があると言えるだろう。1997年にタイを中心に始まったアジア通貨危機を機に、韓国は従来のように漠然と重工業発展や製造業発展に依存していれば、いつかは支障を来たすと認識するようになり、98年から文化輸出を通じて経済を立て直すソフト・パワー戦略に目覚めた。そして、当時の金大中大統領が文化産業を21世紀の基幹産業にすることを宣言し、官民一体の「クール・コリア戦略」を推進。政府のコンテンツ関連予算を99年度以降、大幅に増やし、98年度で文化関連全体に占める割合が2.2%だったのを2000年度には15.3%に上昇させた。その政府の策に民間側も応え、文化コンテンツ関連の企業を密接に結合させてその発展を後押し。2000年からの4年間で日本や中国、香港、台湾向けのコンテンツ輸出が3600万ドル(約29億円)から5倍の1億8千万ドル(約145億円)に増えた。そしてその後も、毎年30-50%の急成長を遂げている。さらに韓流を中心としたソフト・パワー戦略を実現させるため、韓国は常に官民一体となった支援対策を実行。例えば、11年度の日韓のクリエーティブ産業の政府予算額を比較すると、韓国は日本の2倍超で、コンテンツ関連予算の規模は日本の約8倍にのぼり、かなり大きな差をつけている。この発展の過程で、韓国政府と企業は官民一体のモデルを通して、発展路線を明確にした。
韓国の国家戦略は(1)映画やドラマなど大衆文化を輸出先の国で流行させる(2)大衆文化とスターに連携した商品・サービスの販売を実施する(3)相応の生活用品や電子製品など韓国製品の貿易を活発化させる(4)文化やライフスタイルなど韓国全般への好感を得ることができ、ブームが持続・拡大して、より大きな経済的な利益が得られる----の4段階に分けることができる。この方法は大きな成功を収めており、中国が現在、文化コンテンツの発展を探る際に参考にする意義のある模範と言えるだろう。
「人民網日本語版」2012年4月23日