IT関連コンサルティング会社のキャップジェミニとRBCウェルス・マネジメントは19日、直近の調査結果を発表し、「昨年の経済情勢悪化が世界の富豪に損益をもたらし、アジアの百万長者数が初めて北米を上回った」とする研究報告書を公表した。ロイター通信が伝えた。
同報告書によると、世界百万長者数は0.8%増の1100万人で過去最多を記録したが、これらの富豪の資産総額は1.7%減の42兆ドルとなり、中東を除くすべての地域の資産が減少した。3000万ドル以上の金融資産を持つ家庭の資産総額は4.9%減となり、人数も2.5%減の10万人となった。
◇中国人富豪が増加
株価低迷、輸出減少、急激な為替変動が、一部の国家に深刻な影響を及ぼした。
昨年、インドの百万長者数は2万7500人減少(18%減)し、12万5500人となった。その主因は、株式市場の低迷(全体で約3分の1の暴落)とルピー安だ。香港は、ユーロ圏の債務危機により経済成長が鈍ったことから、百万長者数が17.4%減となった。
昨年、100万ドル以上の投資資産を持つ中国人が、5.2%増の56万2400人に達した。日本でも4.8%増となった。
◇北米が相変わらず「最も裕福」
2011年、米国・カナダの百万長者数は1.1%減(約3万9000人減)の335万人となったが、資産総額は2.3%減の11兆4000億ドルで首位をキープした。
中国と各国の高度経済成長により、アジア太平洋地域の百万長者数が1.6%増の337万人に達し、北米を抜き世界最多の地域となった。
香港やインド等の主要市場が損失を被ったため、アジア太平洋地域の資産総額は1.1%減の10兆7000億ドルにとどまった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月21日