▽世界記録を樹立した記念日に出発
6年前の7月11日、劉翔選手は、陸上のスーパーグランプリ・ローザンヌ国際男子110メートル障害で、見事に世界記録を更新した(北京時間では12日未明だったが、国際陸上競技連盟の基準では7月11日)。この記念すべき日にロンドンに旅立った裏には、深い意味や期待が隠されているのだろうか。本人は、「(ローザンヌ国際は、)これまで出場してきた多くの試合の一つに過ぎない。それほど深い意味はない」とコメントした。
トレーニング基地を出発する時、基地の指導員は総出で劉翔選手を見送った。両親も自宅から駆け付け、一見物々しい感じだったが、実際は平常時とそれほど変わりなかった。母親の吉粉花さんは、息子のために持って行く服を整え、「身体に気をつけて」とだけ息子に言った。見送りの最初から最後まで、誰もがかなりリラックスした様子で、談笑し、最後に記念写真を撮影した。
上海浦東空港に到着後、劉翔選手は多数のメディアによって行く手を阻まれた。彼は変わらない笑顔で対応し、問いには必ず答え、カメラマンの求めに応じて、孫海平コーチとともに、ガッツポーズでカメラに収まった。彼も乗り乗りで、にこにこしながら、両拳をぐっと固めてポーズを決めていた。
「大事なことは、平常心を失わないこと。たとえどんな結果に終わろうと、落ち着いてそれを受け止めるだけ。ベストを尽くすことが肝心」と劉翔選手。大勝負を目前に控えても極めて冷静だ。劉選手の父親によると、彼は今でこそ、冷静な態度で臨んでいるが、以前はそうでもなかったという。大事な試合の前には、生まれ育った海棠苑にある散髪屋を訪れ、小さい頃から散髪してもらったベテランの理髪師に散髪してもらい、験を担いだ。しかし、今回は、トレーニング基地内の理髪店に行った。出発直前も、普段の週末と同じように実家に帰り、家族と他愛ない雑談をして、いつもと全く変わりない様子だったという。
「人民網日本語版」2012年7月13日