心理学上から見ると、人は誰かから認められたり重視されると快適さを感じ、自分の価値を認められたと認識する。個人が実際の人間関係の中で存在価値や影響力を認められたと思えるもの、それがメンツである。毎月の給料が月末には残金ゼロになるような生活をしている人でも、「今日は僕のおごり!」と一言発すれば、爽快な気分を味わうことができる。しかし、こうしたメンツの保ち方は他人の評価の中で生きていることを意味する。生活の唯一の目標が周りの自己に対する評価にあるため、非常に疲れ、とても苦しい。別の角度から見ると、こうした金銭感覚は相互を尊重する中国の社会風習の形成や人間関係の調整に役立っているとも言える。
では、お金は使いたくないがメンツを保ちたいという矛盾からどうやって脱出すればよいか?まず、必ずしも割り勘を採用する必要はない。例えば、ある人が負担した時に、次に負担する人や日時を想定しておけば、順番にお互いのメンツが保てるだけでなく、時間の経過とともに負担の不公平も解決できる。次に、メンツを重視し過ぎる風潮が本来単純な人間関係をより複雑にしていることを理解する。他人のメンツを考慮して自身の意思に反したり、自身の能力を超えたりせず、自分の経済状況に照らし合わせ、一貫した処世の原則を堅持するようにする。そして最後に、お金について理性的に考え、合理的に割り振ることが重要だ。
「新華網日本語」より 2012年8月26日