餌が口元にあっても、口を開こうともせず、物憂げな様子で籠の中で横になり、人間が見ていようとも全くお構いなしの猿-----。広東省肇慶市絶滅危惧種野生動物保護センター職員は29日、この猿は「ナマケザル(別名・スローロリス)」という国家一級保護動物だと語った。中国新聞社のウェブサイト「中新網」が伝えた。
肇慶市在住のネットユーザーが27日に「微博」(ミニブログ=中国版ツイッター)に書き込んだ投稿によると、鼎湖山の飛水潭でナマケザルと見られる動物が見つかり、観光地区関連部門に連絡が届いたという。28日、市絶滅危惧種野生動物保護センターの職員が現場に赴き、この猿を確保、保護センターに連れ帰った。
ナマケザルは、真丸な目をして、全身が金色の毛で覆われている。身のこなしが非常に機敏なほかの猿と異なり、ナマケザルの動きは極めてゆっくりで、食べ物を手に取ることもおっくうそうで、さらには「食べ物が手元にあっても、口に運ぶのが面倒くさい」様子だ。
保護センター職員によると、ナマケザルは霊長類の中では下等な猿の仲間という。一日の多くの時間を樹の上で過ごし、昼間はたいてい眠っており、暗くなると活動する。果物や鳥の卵を主に食べる。目がミツバチに似ていることから、「蜂猿」「風猿」と呼ばれることもあり、国家一級保護動物に指定されている絶滅危惧種。