他人の物の見方を気にし過ぎる必要はないが、自身の振る舞いについて、中国人は冷静に省みなければならない。結局、豊かさのゴールにあるのは、金に物を言わせて横柄に振る舞うことではなく、経済的な富をベースに築かれる精神的素養を高めることにある。
中国人はかつて、「貧しくただお金だけが残った」という表現で、成金を見下した。今では、「豊かな中国人が持っているものは、お金だけだ」と言われることを毛嫌いしている。お金があれば、世界各地を旅して、有名ブランドや高級ホテル以外の見識も広めることができる。中国人としての本当の自信があれば、外国人からの「偏見」を怖れることなく、傲慢になる必要もない。「空港の搭乗待合室で、周りへの配慮なしに大声でお喋りするか、静かに読書するか」「国際都市で、博物館めぐりを楽しむか、ルイ・ヴィトンで買物にふけるか」「観光地で、大声で騒ぎながら記念写真を撮るか、遺跡の素晴らしさをじっくりと味わうか」-----。これらのいずれの行動を取るべきか、中国人はよくよく考えるべきだ。どちらの行動をとるかによって、まったく異なる対外イメージが出来上がる。
「衣食足りて礼節を知る」ということわざの通り、お金を持っていることと、文化性や素養の高さはイコールではない。物質的な富は、短期間のうちに増やすことはできるが、文明の蓄積や成長は、簡単には成就し得ない。中国人は、物質的富の増加だけに躍起にならず、精神的な深みについても、世界に対して印象づけるよう努めるべきだ。
「人民網日本語版」2012年9月14日