「シンシンが出産した翌日、上野動物園はシンシンにタケノコと竹を与えたが、これが赤ちゃんの死亡した原因の一つとなった。通常、出産後すぐに餌を与えると、母親は、子育てに対する本能的欲求を放棄してしまう。実際、シンシンは餌を食べた後、再び赤ちゃんを抱こうとはしなかった。餌をもらったシンシンは地面に放り出された赤ちゃんに見向きもせず、竹をかじるのに夢中だった」
「上野動物園は事の真相を隠している。彼らは、パンダの赤ちゃんのために哺乳瓶を準備したことを認める一方で、哺乳瓶で乳を与えた具体的な記録の開示を拒否した。母親パンダの乳房から直接お乳を飲む場合は、母乳は少しずつしか出てこないため、『気管に乳を詰まらせる』現象は起こりにくい。哺乳瓶で飲ませた場合、赤ちゃんの唇や喉の形と哺乳瓶の乳首の形がうまく合わないと、乳が溢れ出て気管に入ってしまう恐れがある」
「1972年から現在に至るまで、上野動物園は40年に及ぶパンダの飼育経験を積み重ねてきた。パンダの出産に3度立ちあい、2度の飼育に成功した豊かな経験を持つベテラン獣医師が昨年2月、同園を退職した。動物園側は今回、その獣医師に『職場復帰』を依頼した。獣医師は飼育チームのメンバーに入ったが、最も重要なパンダの出産現場には入らなかった。このように、スタッフ配置の面でも問題があった」
「上野動物園は、野生パンダの繁殖環境について、本腰を入れて研究したことがない。彼らは何度も職員を中国に派遣したが、職員が中国で学んだのは、『人工飼育』に関する管理方法だけだった。だから、生まれたばかりのパンダの赤ちゃんを、人工保育器と母親シンシンの懐の間を行ったり来たりさせた。どんな動物であろうと、幼い命を取り巻く環境をこんなにいじくりまわすことは、生存の危機をもたらす一因となる」
日本の動物園は、資金面で問題がないというだけで、世界の希少動物を簡単に借りる、あるいは購入するべきではない。また、希少動物が園に来れば、来場者が増えると甘い汁を吸う事だけを考えていてはいけない。国境を越え、大学や研究機関と協力し、動物園をこれらの希少動物の生息基地とすることを真剣に目指すべきだ。このような状況から、日本は、「国立動物園」を早急に創設する必要がある」。
「人民網日本語版」2012年10月16日