全国の都市の大気モニタリングの結果をリアルタイムで発表するプラットフォームのデータによると、華北地域にある北京市、天津市、河北省、東北3省(遼寧省、吉林省、黒竜江省)、中部地域にある陝西省、河南省、湖北省、湖南省、安徽省、東部沿海地域にある一部の都市で重大な汚染、あるいは深刻な汚染が出現し、汚染を示す茶色の点が並ぶ「汚染ベルト」が東北から中部まで国内のかなりの地域を覆い、中でも特に茶色の点が集中するのは北京、天津、河北だという。
▽数千億元のパイめぐり争奪戦
深刻な大気汚染はマスクや空気浄化製品の売れ行きを好調にした。調査によると、市民が争って買い求めたため、市内の多くの薬局ではマスクが品切れになった。また他の空気浄化製品も飛ぶように売れているという。
実は今回の霧靄が北京を覆う前に、大きなビジネスチャンスの兆しはみえていた。大気汚染の問題に詳しい欒志強氏によると、政府は昨年12月に発表した「重点地域の大気汚染対策をめぐる十二五計画」(十二五は第12次五カ年計画(2011-15年)のこと)の中で、総合的な大気汚染対策を進める方針を明らかにした。1千億元を超える資金を大気汚染の深刻な3つの地域(北京・天津・河北、長江デルタ地域、珠江デルタ地域)と9大都市群(遼寧省中部、山東半島、武漢市とその周辺、長沙・株州・湘潭エリア、成都市・四川省、海峡西岸、山西省中部・北部、陝西省漢中エリア、新疆ウイグル自治区烏魯木斉(ウルムチ)都市群)に投入し、107都市で大気汚染の総合的な対策を進めるという。
この対策の対象となる地域はこのたび霧靄に覆われた地域と基本的に一致する。