言うまでもないが、日本のアニメ文化は幅広い影響力を持つ。2004年、日本はイラクに対し、トラックを供与することで再建の支援をした。その時、日本のトラックに貼られた図案は国旗でなくアニメキャラクターだった。どの国から提供されたトラックなのかを知らせるため、日本政府が車両に「キャプテン翼」などのアニメキャラを貼ったのだ。これは効果的な方法だったと、コンラッド教授は言う。
アニメ技術には1世紀以上の歴史がある。日本のアニメが世界に影響を与えている分野は、テレビゲーム、カードゲーム、漫画、玩具など多岐にわたる。コンラッド教授は、「日本のアニメは青春期の人々の共通言語であり、境界がない」との見方を示す。
コンラッド教授は、かつて数多くのアニメ会社、工房、アニメーターを訪問したことがあり、「きわめて労働集約型のメディア形式だ」と言う。エンタテインメント企業は、必ずしもアニメから巨額の利益を得られるわけではない。しかし、稼げないものがどうして世界的になるのか?
その答えは、以下の通りだ。アニメ制作会社は様々なシリーズを作りだしており、それらは流行と密接な関係を持つ。あるシリーズの登場人物が一旦注目を集めると、観衆たちは玩具やゲーム、またはほかの形式の娯楽を買うことになるのだ。
コンラッド教授は言う。「アニメの出来が良かろうと悪かろうと、版権所有者は、ファンたちにアニメ登場人物を開放し、その程度を調整することでバランスを取る」。残りの要素は、元々のアニメ作品が全て保有している。
「アニメは世界に向けて輸出できる商品といえるが、ただし、それを受容する人々は高度に独自な娯楽形式だと感じることだろう」と、コンラッド教授は付け加える。日本のアニメは魂のないロボットまたは怪物である場合が多い。ただし、そこに芸術的な「魂」、つまりイノベーティブなエネルギーが投資されることで、多くのファンがそこに参加するようになるのだ。
「アニメは社会エネルギーだ」とコンラッド教授は言った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月2日