南部の雪の被害により、一部の地域では交通がマヒし、電力の供給も断たれている。今回の雪による被害は、経済にどのぐらいの影響をもたらすのだろうか。
企業が生産停止を余儀なくされる
華東政法大学の劉鳳元副教授は、雪の被害で被災地域の企業は稼動停止になり、原材料の輸送にも支障が起きる。多くの企業は、春節の売り上げアップを期待しているが、この被害で売り上げが落ち、上場企業の第一四半期の財務報告に影響が出るだろうと話す。
雪による被害の影響は、株価と先物取引の価格にも反映しており、株価の連日の低迷は、今回の被害による影響を心配している投資者たちの懸念を物語っている。また多くの精錬企業が稼動停止に追い込まれ、1月29日、上海先物取引所の金属価格は全面的に値上がりし、銅の価格も再び6万元の大台を突破した。
ドイツ銀行首席経済学者の馬駿氏は、交通輸送、発電所、小売業、建材、製造業、農業は、短期的に損失が出るだろうと考えている。
雪による被害影響は長期的なものになるだろうか
マクロ的に見れば、今回の雪による被害は、中国の経済に対して一時的なものかあるいは、持続的なものになるのだろうか。
上海財経大学現代金融センターの談儒勇副教授は、雪による被害が経済成長に与える影響は、それほど大きくないと見ている。今回は確かに損害をもたらしたが、その後の地域復興のために積極的な財政政策が取られ、財政支出が増加してインフラ施設の整備も拡大するだろうと考えているからだ。
民政部が1月28日に公表したデータによると、1月10日以降の雨や雪の天候により、4219.8キロヘクタールの農作物が被害を受けた。倒壊した家屋は10万7000棟、損壊した家屋は39万9000棟になり、直接的な経済損失は220億9000万元に上った。
馬駿氏は、雪の被害により1月、2月の食品価格が上昇し、インフレの圧力や、インフレへの予想がさらに拡大した。そのため政府はさらにきびしい引き締め政策をとることになり、中国の経済成長に影響を及ぼす可能性があると見ている。
「チャイナネット」2008年1月30日