6日、中国政府が日本国債への投資を拡大するという情報が伝わり、市場が大きく揺れ、数カ月続いてきた円高がさらに押し上げられた。中国証券報が伝えた。
今回の投資拡大の特徴は「金額は大きくないが、伸び率が高い」ことだ。統計によると、1?4月で中国は計5410億円分の日本国債を購入した。中国の2兆5000億ドル近くの外貨準備高、或いは中国が保有する9000億ドルの米国債からすると、その額はたいしたことはないが、この数字は過去最高だった05年の2538億円を上回る。一方で、09年に中国は80億円の日本国債を手放している。
今回の動きは中国の外貨準備投資戦略に何か変化があったのではないか?欧州債務危機と何か関係があるのではないか?各戦略や経済問題で米国と張り合っていることと関係があるのではないか?と多くの人がその原因を探っている。
中国の投資拡大は特に特別なことではない、と筆者はみる。なぜなら、中国政府の関係部門がこれより前に話していた外貨準備投資の多元化を徐々に実現していくという目標と一致しているからだ。中国はすでに大量の米国債を保有しているが、ユーロ債が債務危機の影響を受ける中、適度な日本国債への投資拡大は、中国が外貨準備投資の多元化を実現する上で必然的な選択肢だ。一方、中国の外貨準備投資は基本的に安全性に重点が置かれ、次に為替相場が考慮される。データを見ると、10年物の米国、ドイツ、日本の国債の収益率はそれぞれ3%、2.6%、1.2%となっている。日本国債の収益率は最も低いが、相対的に安全性が最も高い。
今回の動きにはもう一つの特徴がある。それは短期国債が比較的多く、中長期国債が少ないということだ。中国が1-4月に購入した日本国債5410億円のうち、期間1年以下の短期国債が5177億円、中長期国債は234億円だった。短期国債の収益率はもっと低いが、流動性と安全性はさらに保障される。ここで再び、中国の日本国債への投資拡大が「慎重」な探りの段階で、リスクに特に敏感だということがわかる。