ドゥシャンベはタジキスタンの首都で、ペルシア語で「月曜日」を意味し、現地の有名な月曜の市を指してもいる。旧名は「小さな山村」を意味し、1925年に町に昇格した。工業は綿紡績、糸繰り、食品加工、機械製造(紡績機械、農業機械、電気ケーブル、家庭用冷蔵庫など)を中心とする。
初めてドゥシャンベを訪れた外国人は、古臭い印象を受ける。サマニ広場周辺の政府のビルがやや目立つが、その他の建築物は20年前から残されているものがほとんどだ。汚らしく、老朽化している。最も高いビルでも12、3階建てだ。ここは地震帯で、高層ビルの建設には適していないという。これらの低い建物は荒削りに見え、各種文化を混ぜ合わせている。構造的にはソ連らしい融通の利かなさがあるが、アラビア風の精巧な装飾もある。全体的には落ちぶれた町という感覚を与える。
しかしドゥシャンベに長く滞在すれば、ここが非常に清潔な都市であることに気づくだろう。面積は狭く人口も70万人のみで、中国の地方に相当する。ここは連綿たる山脈に抱かれるオアシスだ。東に勝利博物館が立つ小山から眺め下ろすと、市街地全体を目にすることができる。川が柔らかく美しいシルクのリボンのように、扇のように開けた平坦な市街地を綰ねる。目を北に移すと、一年を通じ溶けない雪山が重なり合い、青空の下で明るく温かな光を放つ。雪水が集まり上から下へと流れることで、冷たく急な川になる。沃土と田畑を潤し、この都市を育てる。真夏になるとこれらの雪山は大きな団扇のように、この熱く耐え難い都市に風を送り込み気温を下げる。
ドゥシャンベの最大の特徴は、その優れた緑化だろう。どの住宅街も生い茂った緑の木々に包まれ、鳥のさえずりが聞こえる。高所では太くたくましいポプラ、エンジュ、カエデなどが空を貫く。低い所では花を咲かせる灌木が連なる。バラ、チューリップ、名のしれない美しい花々が地上を彩る。店ではバラが四季を通じて販売される。祝祭日やお祝いごとになると、人々は好きな人、家族や友人にバラをプレゼントすることが多い。主だった街の中心と道路沿いには、赤・黄・白のバラが数キロも連なる。ここに住む人々が、ドゥシャンベの人はバラをこよなく愛すると誇らしげに話す通りだ。小道や街を散策すると、バラの香りが漂ってくる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月13日