中国保険業監督管理委員会(保監会)がまとめた最新の統計によると、1979年に国内で保険業が再開されてから現在に至るまでの間に、市場規模は2千倍以上に増大し、中国は新たな保険大国となった。中国保険業は急速な発展を遂げつつ、その特有の機能を絶えず発揮して、経済社会の発展に全面的に貢献している。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
保険業が中華人民共和国の経済社会の発展に貢献してきた歴史を振り返ると、その発端は1949年10月20日の中国人民保険公司の設立にさかのぼる。だが歴史的な要因により、保険業はその後約20年にわたって停滞期にあり、(1978年に)改革開放がスタートすると全面的な回復期に移行し、飛躍的な発展のレールを歩み始めた。
ある統計によると、改革開放以来、保険業は年平均30%前後の成長率を保ち、国民経済の中で最も発展が速い業界の一つとなった。1980年の中国保険市場には企業が1社しかなく、保険料収入はわずか4億6千万元だったが、2008年末には企業は120社を数え、従業員は320万人を超え、保険料収入は9784億1千万元に達した。市場規模は約2千倍に増大し、保険料収入の世界ランキングは6位となり、中国は今や新興の保険大国だ。
1979年に国内で保険業が再開された当初、中国には企業財産保険、貨物輸送保険、家財保険、自動車保険など数種類の損害保険しかなかったが、今では生命保険、賠償責任保険、信用保証保険、傷害保険、健康保険などの分野に業務が拡大し、保険でリスクに対処できるほぼすべての分野をカバーする商品システムが基本的に形成されたといえる。
保険業はリスク管理を取り扱う特殊な産業であり、最も基本的な機能は必要な経済的補償を迅速かつ効果的に提供することにある。ある統計によると、02年以降だけでも保険業界が支払った保険金額は累計1兆元を超えた。
経済補償機能を土台として発展してきた保険の融資機能は、保険業が金融的な側面を備えていることの具体的な現れだ。改革開放以来、特にここ数年は、国内の資金運用ルートの継続的拡大に伴い、保険業が蓄積する大量の資金が銀行預金、国債、社債、証券投資ファンド、株式、インフラプロジェクトなどに投資され、国の経済建設を力強く支えるとともに、資本市場や通貨市場でますます重要な役割を発揮するようになってきた。現在、保険資金の運用残高は3兆4千億元に達し、うち各種債券として運用されている金額は1兆8千億元に上る。昨年10月に国務院は保険資金が未公開株式に投資される場合の制限を撤廃し、今年2月には「保険法」の改訂作業を経て保険資金の不動産投資(インフラ設備を含む)を認可した。
保険業が一定のレベルまで発展し、社会生活のさまざまな場面に浸透するのに伴い、保険が備える社会的リスクの管理、社会保障の管理、社会的信用の管理といった機能も徐々に知られるようになってきた。最近、公安部の交通管理部門が飲酒運転の摘発記録と保険料率と個人の信用記録の3者を連動させると発表したことなどは、まさしく保険の社会的管理機能を体現した事例だといえる。
中国保険業監督管理委員会(保監会)の呉定富主席によると、現在、保険の発展に有利な条件や積極的な要因がますます増えており、外部の発展環境はますます良好なものになっている。保険業は「業界に従事しつつ全体の局面を考え、業界のことを着実にこなしつつ全体にサービスする」という社会的要請をしっかりと踏まえて、経済社会の発展という大局への結びつきを深め、順調かつ迅速な科学的発展の実現に向けて努力しなくてはならない。
「人民網日本語版」2009年8月26日