「人民日報」:さきほど、国家間の自由貿易を実行すべきだと述べたが、中国は世界最大の輸出国であり、近ごろは中国に対する保護貿易の動きが強まり、特に中米間の貿易摩擦が深刻化している。保護貿易主義は現在の世界経済の回復に大きな影響を及ぼすという見方もあるが、中国政府のこの問題に対する見方は。
温総理:私は自由貿易を確固として支持する。自由貿易は世界経済の発展を促すだけでなく、世界の調和を促進し、人々の生活を変え、高めることもできる。
輸出の比率を高めるという一部の国のやり方は理解できるが、輸出を増やすために貨幣価値を低下させ、他国の通貨を引き上げようと圧力をかけるやり方は理解できない。このようなやり方は一種の保護貿易主義である。
国際金融危機のまん延に伴い、保護貿易主義は弱まるのではなく、強まっている。これには全世界が警戒している。中国は輸入拡大の措置を採り、昨年の最も困難な時期には欧米に数回の調達団を派遣した。
また、国際収支のバランスを保つよう努めてきた。自由貿易は危機への対応、景気回復を促進できると私は信じている。
現在最も重要なのは、ドーハラウンド交渉を進め、ドーハラウンドで公平、バランスを前提とし、合理的な貿易秩序を構築することである。
私は、欧米が中国の市場経済地位を承認し、ハイテク製品の対中輸出規制を緩和することを強く望んでいる。これは貿易のバランスを保つのに有利となる。
中国の貿易量は多いが、50%が加工貿易であり、また、60%が外資企業や外資企業との合弁企業による輸出貿易である。中国に対し規制措置を採ることは、自国の企業に影響を及ぼすことと同じである。
「チャイナネット」 2010年3月14日