「全ての視線が中国に注がれている」-----。北京で開会中の第11期全国人民代表大会(全人代=国会)と全国政治協商会議(政協=国政助言機関)に関する記事に、キューバ国営通信プレンサ・ラティーナの北京特派員、ルイス・モラン氏はこんな見出しを付けた。13日の中国共産党の機関紙、人民日報が伝えた。
中国で「両会」と呼ばれる両会議を取材する海外メディアの記者は近年、ますます増えつつある。今年は800人以上の記者が会場の内外を奔走、ペンとカメラで「両会」を記録し、生の「両会」を世界に伝えた。米紙ウォールストリート・ジャーナルのコラムニスト、トーマス氏によると、同紙は上海支局から駆け付けた3人を含む記者10人を派遣しており、両会報道を非常に重視しているという。
こうした世界各国の記者たちは、所属するメディアだけでなく、中国に関心を寄せる社会各界を代表して「両会」とじかに接している。このため、同じ中国であっても、記事として切り取る角度はそれぞれ異なり、両会を通して伝えられる中国の姿もさまざまだ。
両会に対するメディアの関心が高まるにつれ、関連報道の量や範囲も劇的に変化している。▽プラス面に注目する報道もあれば、マイナス面に重点をおく報道もある▽中国の今後を分析する報道もあれば、過去の成果に焦点を当てる報道もある▽官僚や代表・委員らの発言から、敏感な問題の背景を探ろうとする報道もある--というように報道の切り口は多種多様だ。
関心を寄せる問題についても、西蔵(チベット)や新疆など辺境地域の経済・社会発展から、中国の福祉制度改革、東南アジアの投資プロジェクトまで実に多岐に渡る。こうした記者らにとって両会は中国の全体像を浮き彫りにする機会となっている。