両会のほぼ全ての議題を網羅する多種多様な報道からは、各国メディアの記者らがスクープを狙ってしのぎを削る姿が垣間見える。いずれの記者も重要なニュースから独自の視点を見出し、膨大な情報からスクープを掘り出そうと必死だ。中には、読者の興味を引こうと、思わせぶりな見出しを付けるメディアもある。米シンクタンク「外交問題評議会」が公式サイトに掲載した記事の見出しは、「中国両会の内幕」だ。
両会が一層開放されつつあるというのは、各国の記者たちの一致した見方だ。共同通信社の大熊雄一郎氏は「これまでにない斬新な方法で民衆に意見を求める代表が出てきた」と指摘。米紙ニューヨーク・タイムズのマイケル・ウィーンズ氏も「今年は議論の幅が広がり、さまざまな意見が激しくぶつかり合っている」とした。
パキスタンの記者マスード氏は「情報がいち早く入手できるようになった」とメディアに対する開放度の高まりを指摘。インドPTI通信のヴァーマ氏も「代表、委員、政府報道官のいずれも自信にあふれており、記者の取材にも快く応じてくれる。私たち記者の目には、中国が以前より進歩的・開放的になったと映った」と感想を語った。
今回の両会では、発展途上国の記者も例年より活発な動きをみせた。欧米の大手通信社の報道をなぞるのではなく、自国の読者を念頭に置いた独自の報道を心がけている。
多種多様な中国の姿を描き出す「両会」。それは、海外メディアの記者に興奮と達成感をもたらすとともに、こうした記者を介して伝えられる中国の姿に息吹を吹き込んでいる。
「人民網日本語版」2012年3月14日