世界貿易機関(WTO)は27日、WTO上級委員会のメンバーに、中国人弁護士の張月コウ氏(写真)を正式に任命した。大陸部の弁護士がWTOでこれほど重要な職務を担当するのは今回が初めて。「新華網」が伝えた。
WTOの上級委員会は貿易紛争裁決を担当する最高機関で7人のメンバーから成る。27日の会議では、張氏のほか米国・日本・フィリピンの3人の経験豊富な弁護士がメンバーとして新たに任命された。まもなく退任する現在のメンバー4人をそれぞれ引き継ぐ。
WTOの規定によると、上級委員会メンバーに選出されるには、法律・国際貿易・WTO協議の分野で権威ある専門家でなければならない。候補者はまずWTOメンバーによって指名され、事務局長や一般理事会議長、紛争解決機関議長らによって構成される選抜委員会の面接と推薦を経て、紛争解決機関メンバーの全体会議で任命されれば就任が決定する。
WTO提供の資料によると、張氏は現在63歳。中国対外貿易経済協力部(現在の商務部)条約法律司司長、アジア開発銀行欧州代表事務所所長などを経て、中国の知的財産権協議代表やGATT締約国地位回復及びWTO加盟協議の法律顧問を担当、現在、汕頭(スワトウ)大学法学院教授を務める。張氏の上級委員会での任期(4年)は、来年6月1日に開始する。
※張月コウ氏の「コウ」は女偏に「交」
「人民網日本語版」2007年11月29日