今年の両会(全人代と全国政協)には、出稼ぎ農民、穀物栽培農家、衛生環境職員のほか、1980年代生まれの若者19人も新たに代表・委員に選出された。四川省涼山彝(イ)族自治州歌舞団の3級舞踏役者の張バイバイさん、湖南省で自らを犠牲にして人命を救い左足を失った旅行ガイドの文花枝さん、四川省石棉県安順郷ロク子坪村の婦女主任の毛金芳さん、スター選手の劉翔氏と晏紫氏などで、いずれも非凡な業績を上げた人物だ。人民日報海外版が伝えた。
若者は農村でも活躍
趙文琴さん(24)は、黒竜江省選出の全人大代表、赫哲(ホジェン)族出身の女性・劉蕾さん(24)の話を聞いて、深い感銘を受けた。「わたしは北京の民営大学の兼任講師です。わたしの前の教え子に、卒業後村官になることを選んだ学生がいました。彼女の着任後、村全体の収入が上がっただけでなく、農民の考え方も大きく変わり、科学技術に依拠した農業の発展こそが要だと考えるようになりました」――。近年国は、西部教育ボランティアへの参加を大学生に呼びかけ、農村の村官になることも奨励している。こうした高学歴の若者は農村に新しい思想や技術をもたらすとともに、自身も農村や西部の環境の中で成長し、成熟を遂げているのだ。
趙さんは「劉さんの話すことは本当だと思います。若者が祖国に報いることは、なにも雄壮で大げさなことである必要はなく、大学生が農村に行くだけで、同じように素晴らしい働きができるのです」と語った。
80年代生まれの政治参加がもたらす新たなエネルギー
1980年代生まれの韓南茜さんは中国体彩センターの職員。彼女は「今年の両会には80年代生まれの代表と委員がいます。自分も発言権があるように不意に感じ、声を発したい気持ちが高まりました」と話す。
趙文琴さんも「国が80年代生まれを政治参加させたことは、民主がさらに進み、代表の顔ぶれがさらに幅広くなったことを示している。80年代生まれの代表と委員が、真に80年世代を代表し、国家に新たなエネルギーをもたらすことを希望します」と語る。
やはり現役学生で、中国伝媒大学の修士2年・鍾鳴聴さんは、四川省選出の全人大代表に80年代生まれの毛金芳さんがおり、山間部農村への教育予算の拡充を提案する予定だと耳にした。「本当にいい提案です」と鐘さんは言う。「現在、教育資源の振り分けは都市部と農村部で不均衡なので、毛さんの提案には意義があります」――。
若さが強み
1987年生まれの四川省の若者・厳楊さんは、家が貧しかったため、やむを得ず大学を3年で退学し、北京へ出稼ぎに出た。彼は現在、いつかキャンパスへ戻ることを夢見ながら、中国のIT産業のメッカ・中関村で自分に合った起業の道を模索している。
今年の両会に80年代生まれの代表・委員がおり、自分の努力でついに起業に成功した私営企業家もいることを聞いた厳さんは、「80年代生まれの政治参加は、時代の潮流、趨勢です」「温家宝総理が政府活動報告で起業による就業牽引の方針を打ち出したことで、わたしにも希望が見えてきました」と興奮した様子で語った。
厳さんはさらに「わたしたち80年世代には、懸命に取り組むための時間がたくさんあります。どの分野であろうと情熱と汗を流します。たとえその過程で次々と困難に見舞われても、若さがわたしたちの強みです。日々良くなっていくことを信じているのです」と語った。
「人民網日本語版」2008年3月11日