第11次全国人民代表大会(全人代)第1回会議の記者会見が12日行われ、商務部の陳徳銘部長が対外経済・貿易や国内の市場情勢などについて記者の質問に応えた。
陳部長は人民元上昇の対外貿易への影響について次のように述べた。
率直に言って、人民元上昇は輸出に影響する。現在一部の企業は上昇観測のため長期契約を締結しなくなり、大口注文でなく小口注文をするようになっている。人民元が上昇するたび、売り手と買い手は改めて価格交渉を行わなければならない。
人民元上昇の影響には、マイナスのものもプラスのものもある。プラス点は輸入に有利であり、対外貿易構造の調整や対外貿易発展モデルの転換にも有利だということだ。私たちは人民元上昇の輸出入へのプラス影響を十分に利用するとともに、努力し、管理や独自開発を強化して、マイナス影響を軽減させなくてはならない。
中国は貿易黒字を追求しているわけではない。人民元上昇プロセスにおいて、一部の国、特に対中貿易で大きな赤字を抱える国・地域は、人民元の上昇が加速し、貿易上の不均衡が減少することを願っている。だが対外貿易構造は各国の経済構造の相違や国際分業体制により構築されるものだ。中国の対米貿易黒字は約1600億ドルに上るが、米国の世界各国に対する貿易赤字額は総額数千億ドルに達する。これは経済構造調整の中で、米国のローエンド製造業や一般的製造業が世界各地に分散し、ハイエンド製造業とサービス業だけが国内に残ったためであり、このような経済構造が米国に貿易赤字をもたらしたといえる。貿易黒字・赤字の観点から単純に考えて、ある国の通貨上昇を要求するのは合理的ではない。
「人民網日本語版」2008年3月13日