▽共通認識
胡錦濤中華人民共和国主席は日本国政府の招待に応じ、2008年5月6日から10日まで国賓として日本を訪問した。胡錦濤主席は明仁天皇と会見した。また、福田康夫内閣総理大臣と会談し、戦略的互恵関係の包括的推進について広範な共通認識に達した。
双方は7日、共同声明を発表した。以下はその大要である。
一、双方は中日関係が両国のいずれにとっても最も重要な二国間関係の1つであるとの認識で一致した。また、両国はアジア太平洋地域及び世界の平和、安定、発展に重要な影響力を有し、厳粛な責任を負っており、長期にわたる平和友好協力が双方にとって唯一の選択であるとの認識で一致した。双方は、戦略的互恵関係を包括的に推進し、中日両国の平和共存、世々代々の友好、互恵協力、共同発展という崇高な目標を実現していくことを決意した。
二、双方は、1972年9月29日に発表された「中日共同声明」、1978年8月12日に署名された「中日平和友好条約」及び1998年11月26日に発表された「中日共同宣言」が、中日関係を安定的に発展させ、未来を切り開く政治的基礎を構成することを改めて表明し、3つの文書の諸原則を引き続き遵守することを確認した。双方は、2006年10月8日及び2007年4月11日の「中日共同プレスコミュニケ」の共通認識を引き続き堅持し、全面的に実施していくことを確認した。
三、双方は、歴史を直視し、未来に向かい、中日戦略的互恵関係の新たな局面を絶えず切り開くことを決意した。双方は、相互理解と相互信頼を絶えず強化し、互恵協力を拡大して、中日関係の発展の方向と世界の発展の潮流を一致させ、アジア太平洋地域及び世界の良き未来を共に創り上げていく。
四、双方は、両国が互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認した。双方は、互いの平和的な発展を支持し合うことを改めて表明した。双方は、平和的な発展を堅持する中国と日本がアジアと世界に大きなチャンスと利益をもたらすことを確信した。
日本側は、改革開放以来の中国の発展が日本を含む国際社会に大きなチャンスをもたらしたことを積極的に評価した。また、恒久平和と共同繁栄の世界を構築するために貢献していくとの中国の意向への支持を表明した。
中国側は、日本が戦後60年余り、平和国家としての道を堅持し、平和的手段により世界の平和と安定に貢献していることを積極的に評価した。
双方は、国連改革問題について対話と意思疎通を強化し、共通認識を増やすべく努力することで一致した。
中国側は、国連における日本の地位と役割を重視し、日本が国際社会において一層の建設的役割を果たすことを望んでいると表明した。
双方は、協議と交渉を通じた両国間の問題の解決を堅持する。
五、日本側は、台湾問題について、「日中共同声明」で表明した立場を引き続き堅持することを改めて表明した。
「人民網日本語版」2008年5月8日