胡錦涛国家主席は8日午後、主要8カ国(G8)と発展途上国との拡大首脳会合に出席する、インドのシン首相、ブラジルのルラ大統領、南アフリカのムベキ大統領、メキシコのカルデロン大統領と札幌市内で全体会合を開いた。5カ国首脳は南南協力の推進、南北対話の推進、共同発展の促進、その他関心を共有する世界的な問題について意見を交換した。
胡主席は発言の冒頭で、中国の政府と人民を代表して、四川大地震の際の各国の力強い支持と誠実な援助、各国の人々が中国人民に示した同情と慰問に心からの謝意を表明。続いて、現在の国際情勢への見解を詳細に述べた。
国際問題において日増しに高まる発展途上国の影響力と役割について、胡主席は「発展途上国は世界の平和を守り、共同発展を促進する重要なパワーだ。私たち5カ国は共に重要な発展途上国であり、5カ国の協調と協力の強化は、各自の発展のみならず、南南協力を強化し、南北対話を推進し、人類の平和と発展を推進するという崇高な事業にもプラスだ」と指摘した。
世界の食糧安保については「最近、食糧価格の高騰が世界経済の突出した問題となっている。食糧高騰は世界の貧困削減に加わる圧力を増大させ、地域の安定にも影響を及ぼしている。発展途上国は世界的な食糧高騰の最大の被害者であり、私たち5カ国もそれぞれ影響を被っている。注意する必要があるのは、最近国際的にいわゆる『発展途上大国責任論』が浮上し、現在の世界的な食糧高騰の責任を発展途上の大国の発展になすりつけていることだ。これはきわめて無責任だ。実際には、世界的な食糧高騰の原因は多面的で複雑だ。国際社会は協力を強化し、総合的な措置を講じてこそ、世界の食糧安保を守ることができる。私たち5カ国は共に世界の食糧生産・消費大国であり、食糧安保の維持に積極的に努力するよう、国際社会を共に促していくべきだ」と述べた。
写真:発展途上5カ国首脳の全体会合に出席する胡主席
「人民網日本語版」2008年7月9日