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論評:労働者賃金の改善は必須
発信時間: 2009-12-03 | チャイナネット

 

これについて人民大学労働人事学院の鄭功成教授は「このような『利益が賃金を侵食し、機械が労働者を締め出す』という現象は、所得格差縮小にマイナスとなり、調和の取れた社会の安定に悪い影響を及ぼす。だがそれ以上に消費と内需の拡大に不利であり、消費するためのお金を持っていなければ、多くの刺激政策を打ち出たところで無駄になるだけだ」と語る。

また楊宜勇所長は「国の財政移転支出や社会所得移転支出など富みの再分配に比べ、『初次分配』が所得分配の公平さを決める鍵であることは間違いない。もしこの段階で問題が発生すれば、次に再分配の調整をしても、適当なところまで是正することはできない。大多数の人が労働所得に頼っている中で、次の段階の分配制度の改革の鍵は賃金改革が中心となり、労働所得改善は『初次分配』の中でも比重が重くなるだろう」と分析する。

労働所得の改善は人心の向かうところであり、大勢の赴くところである。しかし本当に着実なものにするためには、力強い法律や制度の保障がなければならない。中国はすでに最低賃金制度を打ち出したが、実施状況は決して納得できるものではない。賃金増加のシステムも充実しておらずかなり自由だ。

楊宜勇所長は「この現状を変える効果のある道は、制度やメカニズムでの進展であり、労働者賃金の通常な改善システムと支払保障システムの構築だ。つまり国内総生産(GDP)の成長率によって労働者への報酬調整の幅や頻度を決め、従業員の賃金増加と国民経済の成長の歩調を合わせることを保証する必要がある」と指摘。

その他にも企業と労働者の間に有効な交渉システムを構築し、企業情報の公開を実現した上で、一般の労働者が企業と交渉する能力を引き上げ、自らの所得レベルをアップしなければならないと言う。

「独占産業は特別な分野で、区別して分析する必要がある。ある独占企業の労働者は、仕事量は少ないが賃金は低くない。これは資本が労働所得を侵食するというのではなく逆だ。独占産業の所得が異常に高いというのは、社会で非難が起る重要な原因であり、市場化の改革を通してそれを変えなければならない」

「チャイナネット」 2009年12月3日

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