日本銀行にこの度、初の女性支店長が誕生したことが話題になっている。だがこのことそのものよりも、この地位にのぼれる日が来るまで日本女性は100年以上もの長い歳月をかけた、ということを重要視しなければならない。
米日刊紙「ウォールストリートジャーナル」7月14日付の記事には、日本でこの1か月、「初の女性×××誕生!」のニュースが多く出たことを紹介している。128年の歴史を持つ日本銀行では初の女性支店長が今週誕生した。日本航空でも初の女性機長が、また、JR東日本でも東京都内では初となる女性駅長が誕生した。
これと時期を同じくして、女性議員である蓮舫氏は11日の参議院選挙において、同選挙区で過去最高の170万票以上を獲得した。蓮舫氏が所属する民主党が、その他の地方で惨敗する中で、この42歳女性が日本で唯一、100万票を超える投票数を獲得した。蓮舫氏の再選により、日本で最も人気のある政治家の一人としての地位が固まったことになる。
最近のこれらの動向は、女性の職業的地位の向上が日本全体のブームになっているような錯覚を起こすが、実は現実はそれほどでもない。経済世界第2位とされる日本の女性の地位が向上したか否かとするかに関しては意見が分かれている。日本女性の地位を推し量るための基準は多々あり、基準によっては「低下している」とも判断される。
世界経済フォーラムにおける昨年の調査(政治、教育、経済、健康などの分野における性別差)において、日本は134カ国中、第101位であった。2006年以降、この調査報告の対象国の3分の2以上は、そのランクアップしているが、日本は2006年に80位となってからは下降し続けている。