資料写真
JPモルガン・チェース東京支社のチーフエコノミストである菅野雅明氏は、「日本女性の就業率は決して低いわけではありませんが、M字型の曲線を描いているのが特徴です。女性が子育ての年齢に入る30歳以降は就業率が低下します。のち、彼女らが再就職できても昇進はほぼ不可能なのです。日本では託児施設が少ないことから、働く女性にとっては厳しい状況になっています」と語っている。
週刊「東洋経済」に掲載された調査によると、日本の上場企業における女性管理職が占める割合は昨年でわずか1.2%でしかなかった。それに対し、働く女性に注目する非営利活動法人「婦女促進会」の調査によると、2009年、米誌「FORTUNE」に紹介されたトップ100社のうち、女性幹部の占める割合は13.5%になっている。
日本社会に女性幹部が少ないのは様々な原因がある。経済成長の鈍化、移民政策に対する厳しい取り締まり、人口減少などの問題が日本で山積みしている。日本では、幼児を預かってくれる便利な託児サービスなど、子どもを持つ女性に対するサービスを行う施設やその他のサポートが少ない。たとえ働く女性の昇進をサポートする一連の法令が通ったとしても、制度ばかりで対策措置がなければ意味がない。
また、男性主導の日本社会において、女性は何事にも慎み深く控えめにすべきとの考えが一般化しているため、先頭を切って見本となる行為を示す女性が非常に少ない。女性の職業的地位の向上は非常に緩慢である。