香港からの観光客の乗るバスがフィリピンで乗っ取られた事件について、中国の楊潔チ外交部長は23日夜、フィリピンのロムロ外相と電話会談した。楊部長は「8月23日午前9時頃、香港からの観光客21人がフィリピン・マニラ市で人質に取られた。中国政府はこの事件を非常に重視し、直ちにフィリピン側に、人質の安全を確保した上で、救出活動に全力を尽くすよう求めた。交渉の結果、観光客6人が昼頃解放された。今晩7時40分頃、フィリピン警察は人質救出のためバスに突入したが、観光客数人が死亡した」と指摘。

　楊部長は「中国政府は今回の事件に大きなショックを受けている。香港同胞数人が犠牲となったことに深い悲痛を覚える。乗っ取り犯の悪者が罪なき観光客に対して働いた残虐な行為に、強烈な非難を表明する。中国側はフィリピン側に、徹底的に事件を調査し、早急に詳細な情況を報告し、全力で負傷者の治療にあたり、適切な善後処理を行うよう求める。中国政府も大使館の取り組みを支援するため直ちに作業チームを派遣する。中国公民の生命と財産を守るため適切な措置を講じるよう求める」と述べた。

　ロムロ外相は「今回の事件に深い悲痛と遺憾の意を表する。フィリピン政府は全力で負傷者の治療にあたり、徹底的に事件を調査し、早急に調査結果を中国側に報告するとともに、中国側作業チームのフィリピンでの活動を支援する」と表明した。

　両外相は適切な善後処理について緊密な連携を保つ考えで一致した。（編集NA）

　「人民網日本語版」2010年8月24日