中日関係は改善されたと数多くの人が議論している。中には、米国とも同盟を結成し、国際システムの安定化を図り、貧困問題を解決し、地球温暖化などの問題の対策に当たるべき、との提議もある。もちろんこれらのほとんどは一方だけの考えであるが、もしかすると、相手国の心をつかもうとする中国の戦略的思想の一部となりえるかもしれない。
真相はともかくとして、中国が腹の中で何を考えているのか?それに対する国際的な認識は異なっている。中国の指導者は「争い」は「人の性」であり、相矛盾する世界において問題を解決する唯一の手段である、と認識していると指摘する専門家もいる。いずれにしても、ねむりから目覚めた獅子が今、世界に向けてその実力を見せつけようとしている事例が随所にみられる。2008年、中国の国防予算は世界第2位のレベルにまで引き上げられている。海軍、特に潜水艦建設への軍事費増大は、「太平洋水域の制海権は米国には渡さない」といった意思が示されている。中国は今、市場および天然資源を求めて、アジア、中東、アフリカ、南米にその影響力を広げようと積極的な姿勢を示している。
だが、別の視点で見ると、中国の軍事費は、全世界の6.6%にしか過ぎない。米国の軍事費の世界に占める割合は46.5%で、それと比べると両国の差がはるかに隔たっているのは明白である。中国が注視しているのは主に経済高成長に関連した問題である。例えば、公害、汚職、農村地区の貧困、都市部の人口集中、労使問題など、注視すべき問題が山積みしている。中国の指導者が最も関心を持っているのは、潜在する政治問題および民族問題をコントロールすることであり、また、日本のようなバブル経済の崩壊を防止することである。
今の状況だけを見ると、中国は平和的な発展の道を歩むことは間違いないだろうと思われる。当然のことながら、100%確実だとは言えない。だが、米国が世界覇権者の地位を覆されると予想している悲観論者らは、その思想通りに中国が軍事面を発展させていく訳ではないことを認識しなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月27日