■覚醒が戦略的対立を回避する
米国は今、「競争」を中国に押し付けようとしている。中国は望まないものの、この言葉を受け入れざるを得ないだろう。だが、大国の競争はこれまで時間と体力を無駄にするものであり、中国のGDPが疾駆するほどに絶対に神速ではあり得ないことを明確にする必要がある。まず、大国の競争は通常、過ちを犯さないか、または過ちを犯すことが少ないという競争だが、米国に対しわれわれは、1つまた1つの過ちを通してわれわれに無限の機会を創造してくれるなどと期待してはならない。米国は当時、世界の紛争から離脱することで、国内の建て直しに専心しようとしたが、中国も国内を絶えず発展させることで、力を内から外へと自然に溢れさせて徐々に世界から尊重されることが必要だ。
米国はイラクから手を引いた後、中国の戦略資源への対処はより寛容となるだろう。われわれはベトナム戦争後、米国が打ち出したソ連を相手にした世界大戦計画、湾岸戦争後に見られた世界の枠組みの変化を、非常に容易に思い起こすことができる。だが、十分な戦略的覚醒を維持しさえすれば、中米の戦略的対立は起きないのだ。