米国は8月31日、イラク戦争の終結を正式に宣言した。これは医療保険改革法案、金融規制改革法案の採択に次ぐ、オバマ政権のいま1つの重大な「変革」である。およそ1年8カ月前、多くの中国人は、この若い米大統領に前任者が残した困難な局面を収拾する能力があるのか懐疑的だったが、現在見れば、少なくとも部分的になされたと言える。イラク戦争による負担を一応放置した「新しい米国」は今、立ち上がろうとしている。
■米国はより冷静になるだろう
過去10年、反テロとイラク戦争、金融危機が米国を国際的に冷戦終結以来最悪の状態に陥れた。とくにこの2年近く、中国から欧州に至るまで、米国は継続的に衰退の状態にあるのではないかと疑い、ひいては「米国の国運は尽きた」とまで断言する人も少なくない。
10年という視覚上の距離からは大国の運命は見えない。米国の自ら誤りを正す能力、そして誤りを犯す能力は結局のところ、誰が誰に圧力を加えたのか、それを証明するにはさらに長い歴史が必要である。だが、8月31日という日は私たちに、米国はまさに「変革」のなかにあり、2年前にオバマ氏が大統領選に出馬したときに語った言葉は、まったく“ほら”ではないことを教えている。この国は自ら零落に甘んじることはなく、この運命を避けるために、いざというときには力を爆発させる。
中国が長期にわたり交流すべきなのは、つまり、イラク戦争という教訓を経てより冷静となり、国内の発展により力を投入しようとする米国である。中国はこうした米国と“渡り合う”ことを避ける努力が必要だ。同時に、現実に即して米国との「競争」を処理しなければならない。