金燦栄氏は日本が今回見せている強硬姿勢は、長期的に見れば、日本にとっての何の利点もないと指摘する。このような強硬姿勢は、中国の国民の釣魚島問題に対する関心を高め、中国政府の将来的な決定に国内圧力がかかり、結果として中国の海上能力発展のスピードを加速させることにもなりかねないのである。
楊毅海軍少将は、中国の反応が政治面に止まり、いまだ軍事的行動に出ていないことは、事態の収拾がつかなくなることを考慮して、日本に与えられた猶予であるため、日本は情勢を正しく判断し、中日の戦略的互恵関係から適切に事態を処理することが、結局は日本自身のためになるとしている。
清華大学国際問題研究所の劉江永教授は、「漁船拘束事件に対する両国の反応はともに大きく、これは過去3年間比較的良好だった両国関係にとって大きなターニングポイントになるだろう」と語る。日本側が中国の船長を日本の刑法に基づいて起訴、拘束したこと自体、非常に「異例」のことである。「これにより、中国側は強行的な外交対応に出るしかない。なぜなら、それ以外のいかなる行動も、日本が主張する釣魚島所有権への黙認と見なされてしまうからである。」
すでに退役した元解放軍大佐は、次のように話す。「日本当局が船長を地方裁判所に引き渡すとき、それは、中国に対して、もう話し合いの余地はないという一種の合図になる。」
「実際には、米国がこの事件の裏側で大きな役割を果たしているのかもしれない。その目的は、中国に対する挑戦と抑止である。」
中国漁船拘束が引き起こした今回の紛争は、ここ最近、中国とその隣国間で起こっている一連の領土問題及び米国との各種論争における最新のものである。中国の固い権利主張を反映すると同時に、中国の影響力拡大に対する外界の警戒感を示している。(執筆者:葛衝)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月17日