中国のレアアース独占は解放軍の現代化に戦略的な優位を与える
政府によるレアアース事業を強化する努力は、並行して行われる国内外企業間の合併や買収に対する国家安全審査の新規則制定に関する努力と非常に合致している。温家宝総理が2010年3月に行った政府活動報告では、新しい「国家安全審査メカニズム方案」が紹介された。報道によると、「国家安全審査メカニズム方案」は、関連の海外投資の国家安全審査メカニズムの確立を加速化させることになる。さらに具体的に言えば、同方案により部門を越えた委員会が発足され、「戦略的で敏感」な工業と中国ブランドの業務に対し審査を行う。
世界では、中国が近ごろ打ち出した措置が海外投資を大きく妨げ、中国は戦略的資源を独占するようになるという懸念がされている。温家宝総理は、中国がレアアース市場を「封鎖」しようとしているという指摘に反論した。温総理は第6回中欧工商サミットでテーマ演説を行い、「中国はレアアースを道具にしていない。私たちの目標は世界の持続的な発展だ。法に則った管理とレアアース業の抑制は必要だが、貿易を禁止したりはしない」と述べた。
また文章の最後で、中国はレアアース供給の抑制を一層強化し、これは中国が強大なハイテク工業を建設し、軍事の現代化を進める上で、戦略的な優位を与えるとしている。中国がこれらの資源を「封鎖」する意図はまだ観察が必要だが、戦略的資源の抑制を強化する措置を採っているのは明らかだ。そのほか、中国が措置を採っていることにより、米国はレアアースから製造された、米国の国家安全に極めて重要となる製品を今後獲得できるかということを懸念している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年10月13日