ここのところ、メディアの注目がある一人の若者に集まっている。彼はありふれた80年代生まれの若者であり、物静かで、青春期の他の多くの普通の男子と変わらないようだ。バスケットボールに夢中でマイケル・ジョーダンを崇拝し、お気に入りの映画はジャッキー・チェンのアクション映画と007(ダブルオーセブン)シリーズである。好きな食べ物は中華料理と寿司で、寿司のネタではとりわけイカとマグロを好む。しかし同時に、彼は普通の80年代生まれの若者と異なり、今各国のメディアに昼夜を問わず追いかけられている。彼の名は、金正恩(キム・ジョンウン)。
金正恩氏が朝鮮人民軍大将と労働党中央軍事委員会副委員長に任命されて後、政治局委員と最高人民議会常務委員会副委員長を兼任する楊亨燮(ヤン・ヒョンソプ)氏は10月8日にAP通信のインタビューに応じた。楊氏は、金正恩氏が朝鮮の第三代指導者に就任するであろうことを証言したが、朝鮮当局サイドが公式にこの情報を認めたのは初めてのことである。また楊氏は同時に、金正恩氏が金正日(キム・ジョンイル)総書記の息子である旨証言したが、朝鮮当局サイドが金正恩氏の素性について公式に言及したのもまた初めてのことである。
今後の昇進コース 半月以内に朝鮮の指導者に
9月末に朝鮮労働党党代表大会が召集されたという情報は、世界中のメディアの注目を集めた。なぜならば、朝鮮は今回の会議において未来の指導者の人選につき最終決定するであろうと言われていたからである。しかし、労働党党代表大会召集前に朝鮮メディアが(総書記の)後継者に関する情報を報じたことはなく、国外では金正恩氏の写真とビデオ映像から僅かな情報が得られるのみであった。